6.14.副都心線いよいよ開業!城北エリアがさらに便利に
東京の副都心線開通により、山手線内側に6つの新駅が誕生します。それは「渋谷」を出て順に「明治神宮前」「北参道」「新宿三丁目」「東新宿」「西早稲田」「雑司が谷」の6駅で、次に「池袋」に至ります。
この駅名を聞いて、すぐに周辺イメージを連想できる人は都内の移動にかなり精通している人ではないでしょうか。実は副都心線はそのほとんどが<明治通り>の下を通っていて、ちょうど都営バスが同じルートを渋谷から池袋へ走っています。途中には、GAPが目印の原宿交差点、明治神宮、新宿伊勢丹、早稲田大学、学習院大学などがあり、それぞれ最寄り駅では「駅近」の施設が魅力になりそうです。
■副都心線で便利になるのは城北エリア、埼玉南西部あたりか。
単に「住む」視点で見ると、副都心線の周辺エリアは山手線内側であり、さらに利便性がアップするのですが、もともと土地代の高いところでもあります。マンションの購入検討という意味では、副都心線に乗り入れる接続路線に注目するのがよいかも知れません。
普通はマンション立地を「点」と「線」で考えるのですが、最近は相互乗り入れの路線が多く、「線」と「線」のつながりがとても重要になっています。副都心線も山手線とほぼ平行して南北に走りながら、北は東武線や西武線と接続し、南は将来的に東横線につながります。イメージ的には山手線と逆のカーブ(半円)を描くように郊外から都心へと向かってくる感じです。
今回開通する部分で見ると、埼玉県の和光市から東京都の渋谷までの20.2km(和光市~小竹向原間8.3kmは有楽町線の共用、小竹向原~池袋は有楽町線新線区間、新たな建設区間は池袋~渋谷間8.9km)を結ぶことになります。これにより練馬区、豊島区などの城北エリアと埼玉県の南西部あたりが便利になります。
■東京都で最後の地下鉄「新線」?相互乗り入れが多彩。
東京都においては地下鉄として計画されている最後の路線とされており、その役割は大いに期待されています。東京メトロ(東京地下鉄株式会社)は民営化されてから初めての新路線ですが、最後の新路線になるだろうとも言われています。
この副都心線は、和光市から東武東上線に、小竹向原から西武有楽町線経由で西武池袋線と相互乗り入れをします。4年後の2012年には渋谷で東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線とも相互乗り入れし、横浜の元町・中華街から埼玉の2方向(練馬高野台・清瀬・所沢方面と志木・川越市方面)までをカバーする広域ネットワークを形成する予定です。
西武池袋線や東武東上線は、現在東京メトロ有楽町線とも相互乗り入れをしており、各線からは飯田橋・永田町・有楽町・銀座・豊洲だけでなく、新宿や渋谷、将来的には横浜まで1本の電車でいけることになり、東京・首都圏をほぼ自由にアクセスできるといっても過言ではありません。
そうした魅力があるにも関わらず、池袋線・東上線の沿線はまだ比較的に手頃な価格でマンションが供給されていると思います。
■東京メトロで導入される新型車両と運転システム。
鉄道のハード面では、副都心線は南北線・三田線・目黒線と同様、ATO方式(Automatic Train Operation)で運転が行なわれます(和光市~小竹向原間はツーマン運転、小竹向原~渋谷間はワンマン運転)。
このATOとは自動列車運転装置のことで、列車の運転を自動化する運転保安システムです。魅力としては、運転士さんによるアクセルとブレーキ操作の差がほぼなく(乗車人数・気温や湿度などによってもちろん差はありますが)乗り心地に安定感があるところです。
副都心線では駅にホームドアが設置されていますが、これも自動運転のアシストをする役割を持っています。とはいえ運転士が乗車しており、実際にはドアも運転士さんが安全確認をして開け閉めを行なっています。ドアが開く際にはホームドアが先に開き、閉まる時は車両ドアの後に閉まるという時間差があります。これは、走行してしまう車両ドアの方が危険ということでホームドアと車両ドアに開閉の時間差をつけているわけです。このようにホームドアと車両ドアの2つのドアが連動しており、転落事故防止などへの対策が施されています。
ぜひ、副都心線に乗る際には乗り心地とドアの開閉をチェックしてみてください。
東京メトロが運行する副都心線の車両では10000系と7000系車両が使用されます。現在有楽町線でもすでに使用されている車両ですが、10000系は有楽町線と副都心線共用で使用することを想定して造られているため、有楽町線のラインカラーであるゴールドと副都心線のブラウン両方が描かれています。特徴としては、液晶カラーモニタによる案内と情報放送があることと、連結部をガラスにすることで安心感のある作りとなっています。また、7000系も副都心線開業に合わせて有楽町線だけでなく副都心線でも使用されることになったため、ゴールドだけでなくブラウンも描かれることとなりました。
新線開業の際には独特の活気と雰囲気があります。新駅の構内では真新しい地下通路や空間が輝いているでしょう。ショッピングやグルメのお店なども楽しみです。渋谷と池袋では地下のコンコースが一変して行きかう人が驚いています。また雑司が谷では情緒ある都電荒川線の風景と新線の対比が興味深いところです。