1億円を越えるハイグレード・マンションについて

2008年04月14日

今回はちょっと豪華なマンションについてのお話です。

1億円を越えるマンションのことを「億ション」といいます。その億ションは巷にどれくらいあるのでしょうか?首都圏でマンションの「平均分譲価格」が1億円以上の物件を抽出してみると、以下のようになります。

これを見ると2000年以降に分譲された億ションは134物件あります。2000年は僅か9物件でしたが、その後増加して2007年には32物件にもなりました。

「平均専有面積」については、この2年は100?を切っており、面積が縮小化傾向ですが、平均価格は下がっていません。2007年の「平均坪単価」は500万円を越え、高値更新です。都心物件の高騰化の影響が出ていますが、それでも契約率は90%以上と人気があります。

因みにこのデータ中の8年間の最高単価物件は、「パークマンション六本木」で坪単価1000万円越えとなります。やはり<ミッドタウン>開業効果でしょうか?

もちろん億ションの基本は、「立地」といわれます。
では、具体的にどんなエリアに億ションが供給されているのか見てみましょう。

一番多いのは港区で42物件、次いで渋谷区が24物件、千代田区が19物件と続きます。
地名では、青山、赤坂、麻布、そして広尾などで億ションを数多く見かけます。昔からこの「3A+1H地区」が億ションのメッカです。外人向け高級賃貸マンションなども古くからこの周辺にありました。

他にも、港区ではシロガネーゼで有名な白金、渋谷区の松涛、千代田区の番町、品川区の旧地名で島津山や池田山、御殿山(城南5山と呼ばれる場所の一角)など、江戸時代にお殿様が城を構えた由緒ある地にも億ションがあります。こういう場所は青山などに比べ、一般的には知名度が低いのですが、知る人ぞ知る土地柄です。
億ションは、アクセスのよさにこだわるとは限りません。都心を離れると、成城や田園調布のような高級住宅地の代名詞のような場所がありますし、文化人(山王、目白文化村など)や政治家(南平台、代沢など)、財界人(瀬田、岡本など)が住んだ場所も億ション立地として知られています。全般的には高台に位置することが多いようです。

実は億ションを訪ね歩くことは、歴史の一端を垣間見ることにもなります。高級住宅地には個人の美術館や記念館、石碑などがしばしば建っているので、お天気のいい日に散歩してみるのも楽しいものです。

以上のように、億ションの基本である立地を捉えてみました。

次に建物ですが、基本設計に有名建築家を起用したり、外構・植栽や照明などランドスケ-プには、各分野の専門家に依頼したりします。外壁素材にもこだわって、一般的に普及するタイル貼りではなく、高級な石貼りを選ぶことがよくあります。最近は白を基調にしてガラス部分を多用するモダンな建築デザインも見かけます。
また、共用部にはふんだんに御影石やライムストーンなどを使って、億ションにふさわしい質感を演出します。駐車場も屋外機械式などは稀です。物件を検討する前提として、地下駐車場を必須とされますし、エントランスには車寄せがあることを望まれます。

さて、住戸内はどうかというと、構造はリフォームがしやすい二重床・二重天井で、天井高も高く設計されることが普通です。内装もクロスや床素材に高級なものが使われ、建具や水周り機器には外国ブランドものを採用します。

そして億ションといえば、何よりもセキュリティに細心の配慮を求められます。エントランス、ロビー、各フロアなど何重にもセキュリティ・ラインを設け、有人の巡回警備なども当然励行されます。
ですから、億ションでは、管理費・修繕費が一般のマンションより高いですが、それだけ管理が行き届き、古くなっても資産価値が落ちにくいようです。実際、手入れの良い昔の億ションでは価格が上がっているものもあります。

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