阪神「尼崎」という盲点が狙い目か

2009年04月06日

2009年3月20日、阪神なんば線がついに開通した。梅田・三宮に加えて、難波・奈良までダイレクトにつながり、利便性が大きく向上する阪神「尼崎」エリア。尼崎というと繁華街や工場の街といったイメージが先行しがちだが、実際には落ち着いた住宅街もあり、住まい探しにおいて今、注目すべきエリアなのかもしれない。


■ますます便利になる阪神「尼崎」
阪神「尼崎」駅といえば、子どもの頃によく父親に連れられ、駅前の商店街で買い物をした記憶が鮮明に残る。とにかく「物が安くて賑わっている庶民的な街」という印象が強い。おそらく多くの人が、私と似たような印象、あるいは繁華街のイメージを持っているのではないだろうか。

そんな阪神「尼崎」駅に今回スポットを当てたのも、阪神なんば線開通がきっかけに。特急を利用すれば、梅田までわずか一駅、たったの7分ほど。朝の出勤はもちろん、私のような職種の人間なら、なおさら気になる終電の時間にも余裕がある。梅田からの最終列車の発車時刻は24時35分。少しでも長く遊ぶ、いや残業できるのが魅力的だ。

さらに、三宮まで約22分、新線開通によって難波まで快速急行を利用して約15分と、三つの都心へ乗り換えなしに行ける。阪神なんば線の各駅から、JRや地下鉄などへの乗り換えもスムーズ。特に、地下鉄中央線・長堀鶴見緑地線を利用する場合、梅田経由で大混雑の御堂筋線から乗り換えるよりも、格段に便利で快適になった。

阪神「尼崎」駅前からは大阪空港や関西国際空港行きのリムジンバスも発着。車でも名神高速や阪神高速神戸線・湾岸線が利用しやすい。大阪や神戸に出やすく、名神高速で京都・滋賀へ、阪神高速湾岸線経由で和歌山へ、そして阪神なんば線で奈良へ、近畿各地へのお出かけも、海外旅行だってラクラク。ひょっとすると、大阪市内で暮らすよりも便利になったのではないだろうか。


■住みにくいと誤解しやすい街
取材当日。数年ぶりに「尼崎」駅の改札を抜けて少し驚いたのが、駅前の広場にチューリップ畑が整備されていたこと。チューリップはまだ咲いていなかったが、駅前の雰囲気は昔の印象とは程遠い。若々しい緑が、駅前の喧噪を和らげてくれるのだろう。

活気のある駅前から北へ歩き、〈BELISTA尼崎〉を目指して国道2号線を渡った。すると、もう繁華街の賑わいはなく、生活感のある街並みが続く。駅から現地までの道のりは、歩道が整備されている大通り沿い。地形もフラットだから、お年寄りやベビーカー連れでも歩きやすい。

現地近くまで来ると、尼崎市や兵庫県の公共施設が点在し、落ち着いた雰囲気が漂う。一歩路地に入れば昔からの住宅地が広がり、想像以上に静か。大通りが近い割に車の音もさほど気にならない。実は、徒歩10分程度なら、雑居ビルが立ち並ぶ喧噪に包まれた環境だとばかり思っていたのだが...。数字や地図だけでは、住環境の良し悪しは分からないということを改めて教えてくれた、よきお手本のような環境だ。


■子どももお年寄りも暮らしやすい
〈BELISTA尼崎〉に到着してから、棟内モデルルームに入る前に周辺の住環境をチェックしてみた。というのも、「閑静な住宅街」というふれ込みは納得できたものの、生活施設の充実ぶりが気になったからだ。道すがら、夜の11時まで営業しているスーパーは発見していた。〈BELISTA尼崎〉からは徒歩3分ほどの場所だ。現地のすぐ南隣にはコンビニもある。

建物の周りを歩いてみると、すぐ北隣に小児科を見つけた。現地から徒歩1分の場所には「子ども広場」と名付けられた公園も。公園のそばには庄下川が流れ、川沿いには遊歩道が整備され、春には桜が咲き誇るそう。小さな子どもがいると、花見客で混雑する桜の名所にはなかなか足が向かない。その分、自宅近くで子どもといっしょに桜並木の下をゆったりと散歩しながら、満開の春を愉しめる方が実にありがたい。

3月にオープンしたばかりの棟内モデルルームに入り、パンフレットを見ながら住環境や物件の説明を受ける。まず、感心したのが公園の多さ。保育所・幼稚園・小学校がそれぞれ徒歩6分というのも見逃せない。子育て真っただ中の私にとって、うらやましいばかりの立地である。

周辺には銀行や医療施設が充実し、市役所などの公共施設も揃う。生活機能には非の打ち所がなく、坂道もなく、子育て世代はもちろん、お年寄りも暮らしやすい環境といえる。


■"名より実"を選ぶ?
住まいの利便性を重視して、都心部の分譲マンション購入を検討している人は、ここもぜひ選択肢の一つに加えてみてはどうだろうか。

その理由は、二つある。一つは販売価格。3LDK(67.07)2,390万円~、最多価格帯2,600~2,700万円台という価格設定は、梅田・難波までのアクセス、周辺環境とのバランスを考慮すれば、魅力的ではないだろうか。駐車場が4,000円~なのも尼崎という立地ならでは。

もう一つは、ランドプラン。「敷地は、四方を道路に囲まれた独立街区」「40%もの公開空地」「周辺に一戸建てが多い」という条件が重なり合い、開放感たっぷりの住まいに仕上げられている。周りに眺望を遮るような高い建物が少なく、中層階でものびやかな毎日が過ごせそうだ。

取材時に見学できたのは1階住戸のみだが、道路と空地を挟んでいるため、低層階でも建物が隣接することがなく圧迫感がない。高天井やワイドスパン設計によって、リビングダイニングは畳数以上に広々として明るい。こうした住まいの開放感は、棟内モデルルームを見学して実感してみてほしい。

最寄り駅が阪神「尼崎」駅となると、同じ阪神間の西宮や芦屋と比べ立地格が劣るのは事実。しかし、前述の通り、交通アクセスは尼崎の方が便利だろう。また、大阪市内よりも立地格が低いと思われがちだが、場所によっては大阪市内の物件よりも住環境や交通の利便性が優れているのではないだろうか。

繁華街・工場の街といった先入観だけで、住まい探しの選択肢から外すには、あまりにも惜しい。こうしたイメージを補うべく「充実する交通アクセスと生活施設の便利さ」「落ち着いた住宅街の暮らしやすさ」「開放感あふれる住まいの快適さ」「価格の検討しやすさ」のバランスがうまくとれ、総合力で評価できる物件といえるからだ。

利便性が強みの大阪市内と良好な住環境が整う西宮・芦屋に挟まれた、まさに盲点であり、「都心部の利便性を重視しつつ、子育て環境も気になる」といった人には、特に狙い目だと感じる。

住まい探しにおいて100%満足のいくものはない。そのなかで、「大阪市内に暮らすステータス」、つまり名をとるか、「交通アクセス・住環境・価格のバランスのよさ」という実をとるのか。ぜひ、今後の住まい探しの参考にしてみてはいかがだろう。

※本文中に掲載されている販売価格等は平成21年3月13日現在のものです。

© 2017 瀬尾昇太 All rights reserved。
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう