都心エリアとはひと味違う、アクセス要所の再開発に注目!
都心では様々な再開発計画が進行していて、私達を取り囲む環境は日々変化を遂げています。東京駅の赤レンガ駅舎は昔の姿で蘇るのか、江戸の下町に誕生する新タワーは東京の風景をどう変えるのか、興味はどんどん広がっていきます。一般的に再開発事業は商業エリアの開発と大規模マンションの供給がいつも同時に進行しますが、記憶に新しいところでは、汐留や豊洲などの湾岸エリア、六本木周辺の超都心エリアは人気のマンションが多数販売され話題を集めました。
大規模再開発計画はもちろん都心部だけではなく、さまざまなエリアで進められています。交通アクセスの要所となるターミナル駅周辺が多いのですが、前回のコラムで紹介した昨年のマンション供給ランキング1位の川崎駅もやはり再開発事業が行われている地域でした。
■超高層タワーマンションから眼下を望む風景
今回はここ数年、大規模再開発計画により地価が大幅に上昇し、注目が集まる「武蔵小杉」駅周辺にスポットを当て、その変貌の様子を紹介していきます。
武蔵小杉は東急東横線で多摩川を越え、すぐ南に位置しています。特急を利用すれば「渋谷」にも「横浜」にも15分以内、なんと「六本木」にも20分以内で行けることになります。さらに2010年には横須賀線の新駅が新設されることが決まっています。実はこの武蔵小杉駅は2006年のマンション供給1位でした。大規模再開発が始まると、そのエリアのマンション供給量が増加する傾向と一致していますね。
武蔵小杉駅周辺のマンション価格の供給数と平均坪単価を見ていくと、再開発計画策定後の2006年に供給数は<8,341戸>と前年2,627戸の3倍の規模に増加し、平均坪単価も<217.6万円>と前年の115%に上昇しました。2007年に入って供給数は5,000戸台とやや落ち着くものの、平均坪単価は119.9%と上昇を続けています。
■武蔵小杉駅周辺のマンション供給数と平均坪単価推移
さて武蔵小杉は、かつて江戸時代には中原街道の「小杉宿」として栄えていました。昭和初期にはもともと工場が多くあった地帯であることから、「工業都市」駅と名付けられていた時代もありました。駅周辺は工場跡地や未利用の土地が多くあり、再開発に非常に適した要素を備えていたと言えます。
川崎市は2005年3月に新たな総合計画「川崎再生フロンティアプラン」を策定し、ここから武蔵小杉駅周辺の再開発計画はスタートします。汐留再開発よりも規模が大きい計37haの広さに15,000人が暮らす、大規模な再開発計画は現在も進行中です。特に駅周辺の800?のエリアに9棟の高層マンション建設が同時に進行しており、その変貌の様子は非常にダイナミックです。
武蔵小杉のマンション市場では「THE KOSUGI TOWER」(地上49階建て)、「パークシティ武蔵小杉」(地上59階建て)、「セントスクエア武蔵小杉」(地上16階建て)など超高層&ハイグレードマンションが続々と登場してきました。「パークシティ武蔵小杉」は高さ200mを超えて、首都圏の超高層ビルで21位にランクインしており、「THE KOSUGI TOWER」も高さ160mとランドマーク的なタワーマンションとなっています。
また大規模再開発のメリットは、見映えのするランドマーク性や眺望だけではありません。敷地周囲には広い公園や緑地スペースが設けられる場合が多く、近隣住民とも相互に利用できるのが魅力となります。再開発されることによって、人の目線で楽しむことができる自然環境も格段に充実してくるのです。
今後も続々と登場すると期待される高層マンションやハイグレードマンション。まだまだ武蔵小杉からは目を離せないですし、他の再開発エリアの動きも楽しみになりますね。