ブランド化する湾岸人 豊洲に住みたい人と、麻布に住みたい人は似てる…かも?
都内の湾岸エリアに本格的なタワーマンションが登場したのは90年代の終わり頃。当時の購入者像をみると、価格の割安感やまだ未成熟なエリアイメージを反映するように、ごく一般的なファミリーやとにかくタワーに憧れる若いカップルが多かったようです。
あれから約10年・・・東雲、豊洲、有明、台場など湾岸エリアにはたくさんのマンションが建ち並び、交通網や街の整備も飛躍的に進みました。今後も発展が期待される湾岸エリアですが、湾岸はどんな人々が住むエリアになってゆくのでしょうか?
「湾岸を選ぶ人って、なんとなく、青山、広尾、麻布のような都心のブランド立地を選ぶ人とはちがうイメージがあるけれど、一体どんな人たちなの・・・?」
「湾岸を選ぶ人って、なんとなく、青山、広尾、麻布のような都心のブランド立地を選ぶ人とはちがうイメージがあるけれど、一体どんな人たちなの・・・?」
「湾岸のマンションを検討したいけれど、周りの人の雰囲気が自分や家族と合うかな・・?」
など、気になるところです。
そこで、アンケートを行い、「住みたいエリア」が異なる3つのグループを比べてみました。
グループ(A)...都心のブランド立地に住みたい人
グループ(B)...湾岸に住みたい人
グループ(C)...都心以外の東京都内に住みたい人
結論から言うと、湾岸グループ(B)の人と、都心ブランドグループ(A)の人には、ライフスタイルや志向性にいくつかの共通性があることがわかりました。具体的にみてみましょう。
湾岸人と都心ブランド派の共通点
↑:湾岸人は、都心ブランド派と同様に、海外・文化・芸術への関心が深い。
↑:湾岸人は、都心ブランド派と同様に、知的でおしゃれ。
←:湾岸人は、都心ブランド派と同様に、周辺住民のモラルや文化度を重視する。
←:湾岸人は、都心ブランド派と同様に、住む街に洗練・高級・ステイタスを求める。
↑:湾岸人は、都心ブランド派と同様に、銀座や都心のトレンドゾーンを使いこなす。
◇調査対象 25才以上男女
都内、川崎市・横浜市、千葉湾岸(千葉・浦安・習志野・市川・船橋市)在住の方
もちろん、湾岸人と都心ブランド派が異なる点もあります。例えば、これは当然といえば当然ですが...
「湾岸人は、マンション立地に開放感や海辺・水辺環境を重視する。」という特性があったりします。つまり、今、湾岸を選ぶ人は、基本的に都心ブランド立地を選ぶ人と同じようなハイクラスな志向性を持っていて、さらに都心では得られない開放感をも求めている・・・。
もはや、湾岸に住むことは「妥協」ではなく「こだわりを持った都心居住」のひとつの形なのかもしれません。
例えば東京湾の水面のきらめきを日々感じたり、ベイブリッジ越しに都心の夜景を眺めるといったイメージも、もとからマンションに付随していた要素ではなく、湾岸を選ぶハイクラス志向の人のこだわりから生まれ、定着してきたスタイルではないでしょうか。
本来、都心ブランド立地には、ゆるぎない知名度、土地の由緒など、湾岸では決して得られない様々な魅力、価値があります。麻布や赤坂の坂道を歩くと、豪邸が贅を競う街並みよりも、由緒ある1本の樹木や、屋敷跡の古びた生垣に心を動かされるものです。
当然ながら、「都心」と「湾岸」という2つのエリアに全く同質の人々が住んでいるわけではないでしょう。しかし、湾岸マンションが10年前とは異なる新たな価値を持ち、「自分らしく都心に住みたい」ハイクラス志向層の選択肢となってきたことは確かだといえそうです。