インターネットを活用したマンションコミュニティづくり

2009年05月11日

■居住者間交流の手段としてのインターネットへの期待

これからマンションを購入しようと検討されている方は、入居後のマンションコミュニティのあり方をどのように考えているでしょうか。

2007年10月にマンション居住者および今後マンション購入予定の方100名に、居住者間交流の手段としてのマンション専用サイトへのニーズを調査した結果、今後マンション居住者間交流の一手段として、インターネットへの期待が大きいことが分かりました。
今後、このようなインターネットをきっかけとしたマンションコミュニティづくりも活発になっていくことでしょう。


■マンション管理のネックは合意形成の難しさ

前回の「コラム1:コミュニティがしっかりしたマンションは管理状況がよい!」で、「区分所有者がマンション管理に無関心で困る」とこぼす管理組合役員が多いことを指摘させて頂きました。一方で、区分所有者の方も「理事会は何をやっているか分からない」と不満を抱いているケースが多いことも事実です。
この問題は、マンション生活を円滑に送るためには、居住者が情報を共有することの重要性、その具体的手段としての広報活動がいかに重要であるかということを如実に表しています。

ひとたび管理組合の理事になった方は、「情報不足は不安・不満の原因になる」「マンション管理のネックは合意形成の難しさ。活発な広報による情報共有が円滑な合意形成に貢献する」という言葉を常に忘れずに理事会活動を行って頂きたいと思います。
理事会が何かの提案を行う場合、情報が不足していると区分所有者は賛成してよいのか、反対した方がよいのか判断に困ります。生活サイクルがそれぞれ異なる居住者へより多くの情報を伝達するためには、「管理組合連絡」「自治会連絡」「マンション内工事などの告知」「居住者間交流のお知らせ」など、各種の広報活動をまめに実施することが重要になります。こういった地道な活動が、円滑な合意形成やコミュニティ形成に役立つことは間違いありません。

■一方通行で足りる広報と双方向を確保すべき広報

広報では、通常は一方通行で足りるが、なかには意見・感想・提案などを求めるために
「双方向性」を確保したい場合があります。総会の出欠席やアンケートなど、回収率を上げたい場合には、補助的な情報提供や回収状況の途中結果などを広報することも一案かもしれません。

双方向を確保すべき広報手段としては、ご意見箱や提案箱を設置されているマンションも多いようです。こうした試みは、マンション居住者の生の声を集める上で有用なものでありますが、ひとたび始めると「おしかりや小言」が多く集まるのではないかと指摘する管理会社や理事会さんもいらっしゃいます。ただ、居住者が普段気軽に意見を言える場を失って、総会にて想定外の質問をされ紛糾するより、事前にご意見箱に頂いて丁重に説明する姿勢が重要になります。

また、広報では「~工事を行います」という告知だけでなく、「なぜ実施するのか」という理由や途中結果なども説明する必要があります。特に大規模修繕などでは、区分所有者みんなの資産である積立金から多額の出金をするわけですから、実施前のアンケートはもとより、途中経過や実施後の結果報告など、まめに広報すべきでしょう。

■マンション広報におけるインターネットの活用について

このように一言にマンションの広報といっても、双方向型と一方通行型と大きく2つに大別されることが分かると思います。
前回のコラムでご紹介した、管理組合や自治会でマンション情報共有サイトでは、一方向型の広報はもちろん、双方向型の広報も簡単にできるため、積極的に広報活動のツールとしてご利用されているケースが多くなってきました。

もちろん、PCをお持ちでいない方もいらっしゃるので、そうしたマンションでは共有部分に管理組合所有のPCを置いて誰もがマンションサイトを利用できる状態にしているマンションもあります。またほとんどのマンションは、従来型の紙ベースの広報はなくさず、インターネットの双方向性を利用したプラスαの広報をされているのが現状です。

マンションの区分所有者(持ち主)は、全てそのマンションに居住しているわけではありません。そうしたマンション外に住まわれる区分所有者に対しても、インターネットであればタイムリーに情報公開・情報共有ができる利点があります。
一般のホームページでは不特定多数の人間の目に触れるため、企業のイントラネットのように、ID/パスワード管理を行ったり、理事会と管理会社と一般居住者で情報の公開・非公開をコントロールするなどの機能を搭載した、マンション管理組合専用のイントラネットも登場しています。

ホームページは、管理や修繕の履歴、議事録などの保存場所としても便利に使えるため、マンションのデータベースとして捉えている管理組合さんも増えてきているようです。

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